認知症のこと、どのくらい知っていますか?
実際に認知症の人が目の前にいたら、どんな対応を取ればよいのか?
認知症の人はどんな気持ちなんだろう?
詳しく知って少しでも役に立ちたい。そんな気持ちで受講してきました。
認知症にも種類があった
認知症=アルツハイマー ではなかった。いくつか種類があることを知りました。
● アルツハイマー型認知症
割合:認知症患者の約50%を占める。
脳 :海馬のあたりを中心に、脳全体の萎縮。
進行:もの忘れから始まり、年単位でゆるやかに進行。
40代頃から異常なタンパク質が作られる→分解
→分解速度が遅くなる→脳に蓄積される→神経細胞のネットワークが壊れる→発症
早期ほど薬で進行を遅らせることができる
● レビー小体型認知症
割合:認知症患者の約15%を占める。
脳 :はっきりとした脳の萎縮はみられないことが多い。
進行:調子が良い時と悪い時を繰り返しながら進行。
症状:変動が大きいのが特徴。
<3つの特徴>
①認知機能の変動 (昨日できていたことが今日できない。今日できないことが翌日できていたりする。)
②幻視 (リアルな幻覚。レム睡眠行動障害。)
③パーキンソン病に似た症状 (表情や体の動きが硬くなる。手が震える。姿勢が前傾になり、小刻みに歩く。バランスを崩しやすくなる。)
● 脳血管性認知症
割合:認知症患者の約15%を占める。
脳 :脳梗塞、脳出血などにより血管が詰まって一部の細胞が死ぬ。
進行:障害にともない段階状に進行。
症状:障害を起こした脳の場所によって、症状が異なる。
● 前頭側頭型認知症
脳 :前頭葉と側頭葉の萎縮。
症状:性格の変容・行動異常。(がまん、思いやりなどの社会性を失われる)
● その他
感染症(クロイツフェルト・ヤコブ病、AIDSなど) やアルコール依存症も認知症の原因となる。
◉治療可能な疾患
脳腫瘍、慢性硬膜下出血、甲状腺疾患、正常圧水頭症、うつ病、肝性脳症
脱水、睡眠不足、栄養失調などなど
治療すれば認知症状が改善する場合もある。
認知症の診断・治療
認知症の人の気持ち
認知症の症状に最初に気づくのは本人。
もの忘れによる失敗、うまくいかなくなることが多くなり、何となくおかしいと感じ始める。
「言われても思い出せないもの忘れ」が重なり、不安を感じ始める。
何もわからないのではない。誰より一番心配なのも、苦しいのも、悲しいのも本人。
※「私は忘れていない!」というのは、
「私が認知症だなんて!」というやり場のない怒り、悲しみ、不安。自分の心を守る自衛反応
◆周りからはどうしてほしいのか◆
家族からは :穏やかに接してほしい。今までどおりでいてほしい。見守ってほしい。
専門職からは:人として尊重してほしい。意見を聞いてほしい。話を聞いてほしい。笑顔で接してほしい。やさしいケアをしてほしい。
ご近所・地域の人からは:これからも交流を続けたい。今までどおり普通に接してほしい。文句を言いに来ないでほしい。
※公益財団法人認知症の人と家族の会東京都支部「認知症の人と家族の思い」に関する調査報告書より
認知症の人への対応
心得 ”3つの「ない」”
1. 驚かせない
2. 急がせない
3. 自尊心を傷つけない
■ 記憶力や判断能力の衰えから、社会的ルールに反する行為などのトラブルが生じた場合
→ 家族と連絡をとる、相手の尊厳を守る、事情を把握し冷静な対応策を探る。
◆具体的な対応◆
・見守る
・余裕をもって対応
・声をかけるときは1人で
・後ろから声をかけない
・やさしい口調で
・おだやかに、はっきりした話し方で
・相手の言葉に耳を傾けて、ゆっくり対応
認知症は誰がいつなってもおかしくない病気
もし自分が認知症と診断されたらどんな気持ちになるでしょうか。
とまどい、葛藤、受け入れられるまで、とても苦しく悲しい思いをすることは想像できますよね。
実際そんな思いをされている人がたくさんいます。
多くの人が認知症を理解して、少しでも認知症の人やその家族の支えになれたら良いですね。
「認知症サポーター」スキルアップ講座もあるようですので受講したいと思います。
<< 相談窓口>>
“オレンジカフェ“(認知症カフェ)
葛飾区では認知症の人やその家族、地域の方などが気軽に集う場があります。
※参考:葛飾区 高齢者総合相談センター「認知症サポーター養成講座」
※全国キャラバン・メイト連絡協議会
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